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種を蒔く

秋。

今年はまだ種を蒔いていないのに、あちこちから芽が出てきている。この分だと新たな種蒔きは必要なさそう。夏後に収穫した種は、人にあげようか。


種蒔きは最初の数年こそ必要だけれど、植物達は自分で種を作ることができる。

手を掛けて育てた植物達が、勝手に自分達で種を土壌にこぼし、新たなたくさんの命が生まれる。

年を追う毎に、その数が増えて行く。

芽が出た後、雨の当たらない場所で鉢に植えてある場合は、水やりなど人が手入れする必要がある。

そうではなく外で生きている場合、その土地の土や気候との相性が合えば、人の力など無くとも、自分達で生きて行けるようになる。



全ては種を撒く所から始まる。

種を蒔かなければ何も起きない。望むものがあるのなら、とにかく種を蒔くべきだ。




会社という箱は、寄せ植えのプランターと同じ。

最初の数年、数十年は、手を掛けて部下や会社を育てる。自分も周りに支えてもらって一緒に育って行く。

苦しいけれど、大変面白い時期だ。

後継者が育ったら、自分はそこから抜けても構わない。むしろ抜けた方が良い場合もある。

後継者を育てることができず、外から新たな個体も来なければ、その箱には誰もいなくなる。



同じものばかりを育てていると、そのうち連作障害が出て来る。

それを防ぐ鍵は「多様性」と「相性」。

連作障害が出るのは、土の中の栄養素や微生物のバランスが崩れることが原因。

同じものばかりを植えていると、土から特定の栄養素ばかりが吸い取られ、不要な栄養素だけが残ってしまう。



狭い鉢の中では収まらない個体、他の土壌の方が合う個体も現れて来る。そんな時は少し手を貸して、彼らを新しい環境に移させてやろう。

新しい場所で枯れることもあるだろう。

逆に自分の力で伸び伸びと大きく育ち、そのうち自分自身のコミュニティを持つこともある。

ああ庭は面白いなあ。




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